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可能性は無限大!シンコペーションブックの使い方

この記事では世界中のジャズドラマーがこぞって練習している「シンコペーションブックの使い方」をご紹介いたします。

使い次第で可能性が無限にあり、一生練習には困りません!

この記事でわかること
  • シンコペーションブックの基本的な使い方
  • コンピング的に読み替える練習方法
  • 応用

Youtubeでの解説はコチラ↓

目次

歴史と経緯

1958年に刊行されたこの本は主に当時のリズム、ジャズに傾倒した読譜のトレーニングとして出版されました。

created by Rinker
Alfred Music

とてもシンプルな音符の読み方から始まり、徐々に変化が加わって行きます。

中でも一番有名なのは38ページ目のExercise Oneと名付けられたページです。

このページ以前は全て短い小節、フレーズで完結するエクササイズですが、Exercise Oneから40小節のメロディックでソロ的なエクササイズが登場します。(1〜9番まであり)

有名になったキッカケは、素晴らしいジャズドラマーでもあり教育者でもあるAlan Dawsonが、ドラムセットをよりメロディアスに演奏するために、あらゆる使い方読み替えをしたのが始まりとされています。

Alanの教則本「The Drummer’s Complete Vocabulary As Taught」でも様々な読み替えが紹介されています。

今回はジャズドラムにおけるシンコペーションブックの使い方の基本をイチから丁寧に解説いたします!

基本のやり方

まずはExercise One基本の形をスネアだけででそのまま叩いてみましょう。
オススメのやり方は以下です。

STEP
はねないイーブンな音符で叩く

ジャズドラムから生まれた練習方法ですので、本来はスイングでの使い方が先ですが、
ロック、ポップスからドラムを始めた方は、はねない、イーブンな音符からがやりやすいかと思います。

はじめからバウンスさせず、イーブンな音符で読んでみましょう。

STEP
片手だけでリズムを確認

裏からシンコペーションする音符が多いので、焦って早くなりがちです。

まずはゆっくりなテンポから、片手のみのシンプルな方法で確認してみましょう。

STEP
バウンスした音符で叩く

慣れてきたらバウンスして読み替えてみましょう。
ジャズドラムから使い始めたこともあり、ウラの8分音符を三連符の3個目、バウンスしたスウィングフィールで読むことが多いです。

はねない音符で確認 →  バウンスした音符でプレイ

の流れがオススメです。

スネアとバスドラで読む

7つの形

次はExercise Oneによく出てくる基本的なフレーズを「スネアとバスドラムだけ」で確認してみましょう。
※応用をご覧になりたい方は次章に進んでも大丈夫です。

様々な組み合わせがあるように見えますが、シンプルなフレーズを中心に作られています。
その中から「7種類」に絞ってみました。

手順は様々ですがこの後の応用を踏まえて「左手のみ」でプレイしてみましょう。
バスドラムは4分音符をキープしています。

タイ裏から始まる四分音符などの組み合わせが苦手な方は意外と多いです。
全て歌う」ことによって音価をしっかりと把握しましょう。

バリエーション

次はこれらを使って組み合わせをいくつか叩いてみましょう。

フレーズを大きく分けると「5つ」です。
似ているものが多くひとつずつ関連付けるとわかりやすいです。

それぞれのフレーズのどこかを休符にしたり、伸ばしたりして、バリエーションを展開しています。

つなげる

次はExercise Oneの1小節目から16小節目までを叩いてみましょう。
16小節目までで、主な組み合わせがほとんど出てきます。

通してが難しければ2、4、6、8小節と短く → 長くしていきましょう。

いかがでしょうか?徐々に慣れてきましたでしょうか?

このような感じのエクササイズが1から9まであり、最後にはアクセントやロールを指定されたものまで出てきます。
そんな中でもExercise Oneが多用されているのは適度な空間が保たれているからではと考えます。

シンバルレガートと合わせてプレイ

レガート+表裏にスネアを入れる

次は左手をシンバルレガートに当てはめてみましょう!

…はい、いきなり全てやろうとすると大変ですよね?

まずは基本の組み合わせとよく出てくるフレーズからやってみましょう。
繰り返しますが、8分音符と4分音符が基本として出てくるExercise Oneでは「表と裏」しか叩いていません。

組み合わせを馴染ませるためにレガートをキープしてスネアで表と裏を叩け分けてみましょう。

2小節ごとに表と裏を交代してみます。
ポイントはスネアにつられてレガートの流れが止まらないことです!

出来たら1小節、2拍、1拍と交代を短くしていきます。

裏から表の1拍もやってみましょう。

短いフレーズ

レガートしながら左手を入れることに少し慣れてきましたでしょうか?

次はExercise Oneから短いフレーズをレガートと組み合わせてみましょう。
上が元のフレーズ、下がレガートと組み合わせた読み方です。

片手だけでやったシンプルな7種類のフレーズですね。

長いフレーズ

次は先ほどのフレーズを組み合わせてみましょう。

全部で10種類ありますが、半分はよく似た発展型ですので、思ったよりも数は少ないです。

いかがでしょうか?

音符をちょっと加えて or 減らすだけでも種類が増えますが、よく似たフレーズが多いと感じていただけたかと思います。

つなげる

では最後にエクササイズワンをそのまま読んでみましょう!

途中で止まりながらでも大丈夫なので、つなげていく事が大切です。

※1〜16小節目までを記載

慣れたらライドシンバルのガイドを見ずに、イメージして読み替えをしてみましょう

オーケストレーション

バスドラ

まずはバスドラムで読み替えてみましょう。

※1〜16小節目までを記載

Point
  • レガートの推進力を止めない様に入れる
  • バスドラが大きくなりすぎない & 音が重くなりすぎない
  • ハイハットの音質を安定させる

右足は

  • ヒールダウン
  • ヒールアップ

両方プレイしてみることがオススメです。

✔︎ Tips

ジャズドラミングサウンドにもっと浸りたい!方は…

  • 18,16インチの小口径
  • ハイピッチ
  • ミュートをなるべくしない

バスドラで行うことがオススメです。
ロック,ポップスで使われる大口径のバスドラとは違い、独特のピッチ感と跳ね返りがあり、より細かいコントロールが求められます。

8分スネア ,  4分バスドラ

どんどんいきましょう!次は以下で読み替えてみましょう。

  • 8分音符 → スネアドラム
  • 4分音符 → バスドラム

※1〜16小節目までを記載

音色的に歯切れの良いスネアドラムが8分音符、音が沈む、伸びるバスドラムを4分音符に読み替えています。

かなりそれっぽくなって来たのではないでしょうか?
高低差が生まれてメロディックになり、よりフレーズ感が出ますね。

8分スネア ,  4分ハイハット

最後は以下で読み替えてみましょう。バスドラはお休みです。

  • 8分音符 → スネアドラム
  • 4分音符 → ハイハットフットクローズ

ハイハットが動く事で、リズムがより抽象的になり、モダンなアプローチになりますね。

安定させることが難しいですが、今ではハイハットをこのようにコンピングの一つとして使うのは当たり前になってます。

ハイハットをこの様にプレイし始めたのは九十歳を超えても活躍する生ける伝説、ロイ・ヘインズだとされています。
なんでも若い頃にはお金がなくてバスドラムやタムが買えなく、ハイハット、スネア、シンバルだけで演奏を行っていたそうな。
そこでハイハットをバスドラムの代わりとして演奏したら面白いんじゃないか?とのアイデアからこの奏法が始まったとされています。

まとめ

今回はコンピングの基本的な読み方をご紹介しました。

他にはハイハットオープン、シンバルアクセントに読み替えたりなど様々な可能性があります。

8beatに比べて手足を自由にするのが難しいとされるジャズですが、一つずつセオリーをなぞって行けば少しずつ動く様になってきます。

焦らずコツコツやってみましょう!

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