この記事では「ジャズドラムのハイハットレガート」のプレイの仕方について攻略していきます。
ハイハットの起源
早速フレーズに入るその前に…!少しハイハットの歴史を振り返ってみましょう。
ハイハットは基本のドラムセットの中でも一番最後に登場しました。
元々は低く作られており、帽子サイズのシンバルをクラシックの合わせシンバルの様に足でスプラッシュさせて使われていました。
早々に手でも叩ける様に…と高くしたのが「ハイ-ハット-シンバル」の誕生です。
詳しいドラムセットの歴史解説はコチラ↓
そこからシンバルで演奏していたシンバルレガート、スキップビートをパパ・ジョー・ジョーンズがハイハットでレガートをしはじめます。
カウント・ベイシー・オーケストラでは一曲通してハイハットレガートしている演奏もあり、ハイハットだけでバンドをドライブさせています。
この頃のハイハットの使い方はをハーフオープンでライドシンバルの様な持続音を出すスタイルが主流でした。
開きすぎず、締めすぎずの「程よく擦れた、途切れない、スムースなハーフオープンサウンド」がハイハットレガートの基本と言えます。
ハイハットレガートの方法
ハイハットレガートがカッコよく出来ない…!と悩める方は多いです。
ハットの開きすぎや、開くタイミング、セッティングが異なっている
と上手くサウンドし難いです…
- ハットトップのシンバルを揺れる様にセッティング
- 基本はチップでトップシンバルを叩く
- 最大に開いても基本的にはハーフオープン
- 2、4拍から徐々に開けていく
- 音色を3種類に分ける
①ハットのトップシンバルを揺れる様にセッティング
ハイハットクラッチのトップシンバルの揺れを締めすぎると、上手くボトムのシンバルと擦れ難くなります。
緩めすぎるとカクカクしてしまうので、丁度良い揺れ具合で締めてあげましょう。
フェルトの材質がそもそもゴムだったりハードな物だと自然に揺れ難くなるので、場合によってはハイハットクラッチだけ自分の物を使っても良いと思います。
②基本はチップでトップシンバルを叩く
スティックのチップを使ってハイハットのボウ部分を叩きましょう。
エッジを使う事もありますが、ライドシンバルでボウを使ってレガートをする様に、全てボウの部分で行います。
シンバルの真ん中〜エッジ前あたりがベターです。
③最大に開いても基本的にはハーフオープン
前述の通りハイハットレガートサウンドの基本はスムースなハーフオープンです。
心地よいハーフオープンの開き具合を探してから、オープンクローズのパターンを演奏してみましょう。
閉じている状態から「少し力を抜くだけ」でもスプリングの反発により、ハイハットは開いてくれます。ハイハットの開き具合やスプリングの強さによるので微調整しましょう。
④2、4拍から徐々に開けていく
ハーフオープンサウンドが出来たら、クローズを入れてみましょう。
ポイントはクローズしているのは2、4拍だけ!ということです。
2,4拍のウラもクローズにしてしまうと”頭ノリ感”が強くなり、スムーズなハイハットレガートになり難いので注意です!要するに…ダサくなってしまいます!
2、4拍のクローズはしっかりとしましょう!
ハイハットの中身が真空になる様なイメージで行うと、歯切れの良いハットサウンドが得られやすいです。
2、4拍から徐々〜に左足を緩めていき、1、3拍目に向けて段々とハイハットが開いていく感じです。
最大に開いても、トップとボトムが擦れている様にすることを忘れない様にしましょう。
⑤音色を3種類に分ける
すでにそれぞれの音色が分かれている状態ですが、全て音色を変える気持ちでハイハットレガートをコントロールしてみましょう。
シチュエーション
初期のビッグバンドでは一曲通して行う事も多かったハイハットレガート。
現在では以下の様なシチュエーションで使う事が挙げられます。
- ベースがIn 2で弾いている時
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- ライドレガートより2、4拍でビートを引き止め、落ち着く効果がある。
- 序盤は抑えて演奏したい場合はテーマのAメロで使われる事が多い。
- ベースがウォーキングしている時にやる場合は2、4を重くしすぎない傾向にある。
- ベースソロ
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- 音量が抑えられるのでベースソロが浮き立って聴こえやすい。
- 定番の形だが流れによってはライドシンバルのままレガートでも良い。
- タイトに聴かせたい場合
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- 音を切るタイミングがコントロールできるのでよりタイトに聴かせられる。
- 混み入ったテーマとユニゾンする時にも聴かれる。
ブロークンしたパターン
シンバルレガートが後により自由になるのと同じく、ハイハットレガートもブロークンしていきます。
2,4拍のクローズをキープしないことでより自由度のあるアプローチになりますね。
ハットはオープンとクローズがあるのでバリエーションは膨大ですが、練習方法の一つとしてシンコペーションブックを使ってみましょう。
シンコペーションブックのP.48「Ex.One」の1〜4小節を題材として、
- 4分 = オープン / 8分 = クローズで読み替えたバージョン
- 上記を基本にクローズの手前でフットクローズを入れたバージョン
で読み替えると以下のようになります。
さらに4分音符 = バスドラ / 8分音符 = スネア を加えたりしてもバリエーションの良い練習になりますね。
まとめ
ハイハットはドラムセットの中で唯一「音の長さがコントロールできる楽器」です。
それ故にバリエーションも膨大ですが、まずは「サウンド」を良くしてから発展させていくことがオススメです。
ハイハットの自由度を上げて表現力をアップしてみましょう!